フーレとは

フーレとは、銅などの卑金属の芯に銀箔を巻いて加熱・鍛接し、正規の銀貨を模して打刻した古代の偽造貨です。

フランス語で「詰め物をした」という意味です。ラテン語では subaeratus、ギリシャ語では hypochalkos(いずれも「下に銅がある」の意)と呼ばれました。

当時から見破られていました

銅は銀より軽いため、**フーレは正規品より軽くなります。**目安として15〜25%軽いとされます。

そのほか、鍍金の剥落や打音の違いでも判別されました。古代の商人はテストカット、対銘印、鋸歯状の縁といった手段で対抗しています。

「偽物だから無価値」ではありません

日本の読者が最も誤解しやすい点です。

古代当時に作られたフーレは、「その時代の実物」として独立した収集対象になっています。現代の偽造品とはまったく扱いが異なります。

Coin World は、西暦49〜50年頃の英国内の非公式造幣所によるものと推定されるクラウディウス帝のフーレ・デナリウスに、1,500米ドルの見積もりが付けられた例を報じています。

本物の希少コインが手の届かない収集家にとって、歴史的な同時代の模造品を持つ手段にもなっています。

国家が作ったフーレもあります

紀元前406〜405年頃、ペロポネソス戦争末期の財政難のなか、アテナイは銀メッキ青銅貨を発行しました。

これは実質的に公式のフーレにあたります。同時にパルテノン神殿の彫像の金メッキを溶かして緊急の金貨も鋳造しており、当時の窮状がうかがえます。

アリストパネスの喜劇『蛙』(紀元前405年上演)にも言及があります。

関連:テストカットアテナイのフクロウ銀貨

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