テストカットとは

テストカットとは、古代の商人や両替商が銀貨の純度を確かめるために鑿で入れた切り込みです。

なぜ切ったのか

当時、**銅の芯に銀を被せた偽造貨(フーレ)**が流通していました。

比重を使った検査法が普及する以前は、**切って中身を見る以外に信頼できる方法がありませんでした。**切り込みから銅が見えれば偽物と分かります。

詐欺の証拠ではありません

日本の読者が最も誤解しやすい点です。「傷がある=状態が悪い」と考えがちですが、実態は違います。

元素分析による研究がこれを裏づけています。アテナイの古拙式テトラドラクマ2,516点の分析では、テストカットが入った個体の86%が銀純度98%以上でした。

つまり大半は、偽物を暴いた跡ではなく、日常的な検品の痕跡です。

評価への影響

**評価額は下がります。**表面の欠損として扱われるためです。

NGC の鑑定では Surface(表面)の評価に反映されます。ただしテストカットがあること自体で鑑定不能になるわけではありません。

見方を変えれば、テストカットはそのコインが実際に古代の商取引で使われた証拠です。歴史の痕跡として評価する視点もあります。

予算を抑えて古代銀貨を持ちたい場合、テストカットのある個体は現実的な選択肢になります。

関連:アテナイのフクロウ銀貨フーレ

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