トーニングとは
トーニングとは、コインの表面が酸化などの化学反応によって変色し、薄い層を形成した状態を指します。
何が起きているのか
主な原因は硫黄です。空気中や保管材に含まれる硫黄化合物がコイン表面に付着し、薄い層をつくります。私たちが「トーン」として見ているのは、この層です。
色は層の厚みによって変わり、淡い色調から強い発色、さらに濃い茶色までさまざまです。銀貨では硫化銀の層ができ、シャボン玉が虹色に見えるのと同じ光の干渉によって色が現れます。
磨いてはいけません
**日本では「変色=汚れ」と考えて磨く習慣がありますが、欧米市場ではこれは最大級の価値破壊行為とされます。**理由は2つあります。
1. 元に戻せません
トーニング層を除去すると、同時に製造時の微細な光沢(ラスター)まで削り取られます。これは二度と復元できません。
2. 鑑定で数値グレードが付かなくなります
NGCやPCGSは洗浄痕を検出すると「Details / Cleaned」扱いとし、数値グレードを与えません。同じ状態の未洗浄品と比べて大幅に安くなります。
自然に生じたトーニングが尊ばれるのは、一度も手を加えられていない証拠として機能するためです。
ただし常に加点ではありません
黒ずみや斑点状の不均一な変色は、むしろ減点要因です。虹色に発色した美しいトーンは評価される一方、汚れて見えるトーンは価値を下げます。
同じグレードでも、見事にトーニングした個体とそうでない個体では、価格が大きく違うことがあります。状態評価には見た目の魅力(アイアピール)が含まれるためです。
人工トーニングに注意
価値を上げようと、薬品や熱で人工的に色を付けたものが存在します。不自然なトーニングは、検出されれば価値を下げます。
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