胸像の種類とは
コインの肖像は、何を身につけているかで分類されます。オークションの説明文では英語のまま記載されることが多い用語です。
主な種類
| 英語 | 日本語 | 特徴 |
|---|---|---|
| laureate | 月桂冠 | 勝利の象徴。ローマ皇帝の標準 |
| radiate | 放射冠 | 太陽神を連想させる。額面の標識でもある |
| diademed | 冠帯 | 真珠の帯。ヘレニズム王権に由来 |
| draped | 衣をまとう | 甲冑の上に外套を羽織る |
| cuirassed | 甲冑 | 胸当てを着用 |
放射冠は「2倍額面」の印です
実務上、最も役に立つ知識です。
放射冠は単なる装飾ではありません。ローマ貨幣では2倍の額面を示す標識として使われました。
| 貨種 | 導入 |
|---|---|
| デュポンディウス | 西暦64年、ネロ帝以降 |
| アントニニアヌス | 西暦215年、カラカラ帝の導入時から |
放射冠が見えたら、額面が上位のものを疑うという読み方ができます。
冠帯は年代の手がかりになります
冠帯(ディアデム)は、もともとヘレニズム王権の象徴でした。それがローマ皇帝の図像に取り入れられ、4世紀以降、月桂冠に代わる標準的な帝冠として定着します。
ある研究によれば、ローマ貨幣に冠帯の胸像が見られる場合、それは遅くとも3世紀末、多くは4〜5世紀の発行とされます。
つまり冠帯は、大まかな年代を絞り込む手がかりになります。
「衣をまとい、かつ甲冑を着た」
draped and cuirassed という表記をよく見かけます。外套と胸当ての両方を着けた姿です。
この表現は軍人皇帝の時代である3世紀に一般化し、4世紀にも続きました。皇帝の軍事的権威を想起させる意図があったとされます。
肖像の装いそのものが、その時代に何が求められていたかを映していることになります。
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