プロヴェナンスとは
プロヴェナンスとは、そのコインが過去に誰の所蔵にあり、どの目録やオークションに登場したかという所有履歴の記録です。日本語では「来歴」と訳されます。
鑑定書とは別物です
日本で最も多い誤解がこれです。
NGCやPCGSのスラブは、真贋と状態の保証です。来歴の証明ではありません。ラベルに旧蔵者名が併記されることはありますが、それは任意の付加情報です。
価格に影響します
CoinWeek によれば、来歴が記録されていることによる上乗せは、図版入り目録への掲載でおよそ10〜25%、著名なコレクション由来であれば50%以上に及ぶとされます。
**ただしこれは業界の観測であり、体系的な調査による数値ではありません。**目安として捉えてください。
古代コインで引用される著名な旧蔵者には、アポストロ・ゼーノ(ヴェネツィア、1668〜1750)、アーサー・エヴァンス、サミュエル・ポッツィなどがあります。アメリカ貨ではエリアスバーグ、ポーグ、ノーウェブ、ギャレットの各コレクションが知られています。ポーグ・コレクションは7回のオークションで総額1億3129万8560ドルを記録しました。
合法性に直結します
こちらのほうが実務上は重要です。
1970年のユネスコ条約(文化財の不法な輸出入・所有権移転を禁止する条約)が国際的な基準日とされています。1970年以前にコレクションに存在したことを示せる資料があれば、西側諸国では概ね問題なく取引できます。
アメリカは特定国からの古代コイン輸入を制限する二国間覚書を結んでおり、制限開始より前の図版入り目録に掲載されていることを示すのが、実務上の最も確実な対応とされています。
来歴不明でも違法ではありません
誤解のないように補足すると、**古代コインの大多数は来歴不明のまま合法に流通しています。**コインが目録に写真付きで記録されるようになる前に市場へ出たものが多いためです。
来歴の有無は、価値と、国際取引での扱いやすさに影響する要素と考えてください。
関連:ウナとライオン金貨とは
どのコインから始めればいいか迷っていませんか
予算別に、最初の1枚として現実的な選択肢をまとめています。
予算別スターターキットを見る