ラスターとは
ラスター(ミント・ラスター)とは、製造時に生じるコイン表面の独特な光沢です。
「ピカピカ」とは違います
**最も多い誤解がこれです。**ラスターは反射の強さではなく、光の拡散のしかたです。
打刻の強い圧力によって熱が生じ、流動する金属がダイの表面に微細な線(流動線)を刻みます。これがコイン側に転写され、中心から縁に向かう放射状の微細な凹凸になります。
顕微鏡で見ると、これは細かな山と谷の連なりです。この凹凸のため、光が何百もの方向に拡散します。粉砂糖をまぶしたように見えることから「ミント・フロスト」とも呼ばれます。
カートホイール効果
コインを光の下で傾けると、車輪のスポークのように回転する輝きが見えます。これがカートホイール効果です。放射状の流動線による反射が原因で、オリジナルのラスターが残っている証拠になります。
磨けば良くなる、は完全な誤りです
一度失われたラスターとカートホイール効果は、復元できません。
失われる原因は摩耗や変色だけではありません。**ごく短時間の取り扱いでも失われます。**手の汗や油分、微細な塵が凹凸を埋めてしまうためです。
**鏡面に磨いたコインは、ラスターを完全に失っています。**日本には骨董品を磨く習慣がありますが、コインでこれをやると価値が不可逆的に失われます。詳しくはホイジングとトーニングをご覧ください。
グレードへの影響
流通グレードの AU では、ラスターの残存量が段階を分ける基準になります。AU-50 でおよそ半分、AU-58 でほぼすべてが残るとされます。
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