リバティヘッド・ハーフイーグルとは|歴史と希少年代
| 英語名 | Liberty Head Half Eagle ($5 gold coin), also called Coronet Head Half Eagle |
|---|---|
| 発行地域 | アメリカ合衆国 |
| 時代 | 1839年〜1908年(前身のClassic Head型は1834〜1838年) |
| 素材 | 金 |
この記事で分かること
- リバティヘッド・ハーフイーグルの発行期間とデザインの特徴
- 重量・直径・組成など基本的な発行データの変遷
- 7つの米国造幣局すべてで鋳造された唯一のコインタイプである理由
- 1854-Sなど特に希少とされる年代とその現存数
- オークションでの価格事例と投資を考える際の留意点
Liberty Head Half Eagle ($5 gold coin), also called Coronet Head Half Eagle(American Numismatic Society (1960.166.104))
リバティヘッド・ハーフイーグルとは
リバティヘッド・ハーフイーグルは、アメリカ合衆国が発行した5ドル金貨(ハーフイーグル)の一種です。デザイナーはクリスチャン・ゴブレクトで、コロネット型またはブレイデッドヘア型と呼ばれる図案が採用されています。1839年にハーフイーグルのシリーズに初めて登場し、1908年まで発行が続けられました。最終年はデンバー造幣局での発行とされています(要確認)。
このコインの前身にあたるクラシックヘッド型は、1834年から1838年にかけて発行されていたとされます(要確認)。ハーフイーグル自体の歴史はさらに古く、1795年に最初の発行が始まったとされています(要確認)。長い歴史の中で図案や規格が何度か変更されており、リバティヘッド・ハーフイーグルはその中でも最も長く発行された型のひとつです。
デザインの特徴
表面には左向きのリバティ女神の胸像が描かれ、頭部のコロネット(冠状の飾り)には「LIBERTY」の文字が刻まれています。女神の周囲には13個の星が配置されており、これは建国当時の13州を象徴しています。表面と裏面の図案について詳しく知りたい方は、表面・裏面の用語解説もご参照ください。
裏面には紋章鷲が描かれ、翼を広げた姿で胸に盾を掲げています。右足にはオリーブの枝、左足には矢束を持ち、周囲には「UNITED STATES OF AMERICA」と「FIVE D.」の文字が刻まれています。
なお1866年には、リボン上に「IN GOD WE TRUST」というモットー(標語)が新たに追加されました。このモットー追加前の型は無モットー型(タイプ1)と呼ばれ、ビジネスストライク(流通用)の総発行数は9,114,049枚、プルーフ(鏡面仕上げの特別製造品)は推定450枚とされています。
発行データと規格の変遷
リバティヘッド・ハーフイーグルの基本組成は90%金・10%銅で、重量は8.36グラム(129.01グレーン)です。純金含有量は約0.24187トロイオンス、およそ7.52グラムに相当します。
直径には変遷があり、1839年から1840年まではブロードミルと呼ばれる22.5ミリでしたが、1840年末に21.6ミリへと縮小されました。この21.6ミリという直径は、現代の5セントニッケル貨とほぼ同じ大きさです。エッジ(側面)はリード、つまり溝入りの加工が施されています。
こうした規格は1834年法によって定められたもので、重量8.36グラム、直径22.5ミリ、組成は金89.92%・銀と銅10.08%という内容でした。その後1837年の造幣法により、金の純度が.900に引き上げられています。金貨の純度や品位については、純度の解説も参考になります。
流通用の総発行枚数は14,077,265枚にのぼり、アメリカの金貨史の中でも大きな存在感を持つシリーズといえます。年代ごとの発行数(ミンテージ)の差は非常に大きく、たとえば1841年銘は141,077枚に対し、1899年銘は1,282,000枚と、10倍近い差が見られます。発行数についてはミンテージの用語解説もご覧ください。
7つの造幣局すべてで鋳造された唯一のタイプ
リバティヘッド・ハーフイーグルは、フィラデルフィア、シャーロット、ダロネガ、ニューオーリンズ、サンフランシスコ、カーソンシティ、デンバーという、伝統的な米国の7つの造幣局すべてで鋳造された唯一のコインタイプとされています。どの造幣局で鋳造されたかは、コイン表面に刻まれたマークで確認できます。造幣局を示す刻印についてはミントマークの解説をご参照ください。
南部の造幣局、すなわちニューオーリンズ、シャーロット、ダロネガ、カーソンシティ、サンフランシスコで発行された希少なコインは、特に高く評価される傾向があります。
特に希少とされる年代
リバティヘッド・ハーフイーグルの中には、現存数が極めて少ないとされる年代がいくつかあります。
1829年銘は57,442枚が鋳造されたとされますが、現存するのは約20枚のみとされています。1841年にニューオーリンズ造幣局で鋳造された1841-Oは、50枚の鋳造とされ、現存例は確認されていないとされています(要確認)。
さらに希少とされるのが1854-Sで、サンフランシスコ造幣局の開局初年の発行とされています(要確認)。鋳造数は267枚とされ、現存が確認されているのはわずか3枚のみです。この年代は、リバティヘッド・ハーフイーグルの中でも最も希少とされる存在です。
その他、1861-D、1864-S、1870-CC、そして1875年銘も特に希少な年代として知られています。1875年のフィラデルフィア発行は、鋳造数が約400枚と推定されており(要確認)、別の記録では268枚とされる資料もあります。この268枚という数字は1854-Sの267枚よりわずかに多いものの、現存数では1854-Sの3枚に及ばず、1854-Sの方がより希少と位置づけられています。
オークションでの価格事例
執筆時点での参考情報として、2022年4月にスタックスバウワーズのオークションで、1875年銘のハーフイーグル、状態はAU53(PCGSおよびCACの鑑定付き)が48万ドルで落札された事例が報告されています。コインの状態評価についてはグレーディングの解説もご参照ください。
また1864-Sや1847-Oといった年代も、数万ドル単位の価値を持つ希少年とされています(要確認)。ただし、こうした金額はあくまで過去の落札事例であり、コインの状態や鑑定機関、市場動向によって価格は変動します。アンティークコインへの投資を検討する際は、価格が変動するリスクを十分に理解したうえで、執筆時点の情報として参考にすることをおすすめします。
シリーズの終焉
リバティヘッド・ハーフイーグルは、1908年にインディアンヘッド型が登場したことで製造が終了しました。最終年である1908年には、デンバー造幣局でごく少数が発行されたとされています(要確認)。長きにわたり米国の金貨を代表する存在であったこのシリーズは、こうして次の時代のデザインへとバトンを渡すことになりました。
まとめ
リバティヘッド・ハーフイーグルは、1839年から1908年という長期間にわたり発行された、アメリカを代表する5ドル金貨のひとつです。7つの造幣局すべてで鋳造された唯一のタイプという特徴を持ち、年代によって発行数に大きな差があることから、コレクターの間で高い関心を集めています。特に1854-Sのように現存数がごく僅かとされる年代は、コイン収集の世界でも特別な存在として扱われています。米国金貨全般について、より広く知りたい方はアメリカ金貨ガイドもあわせてご覧ください。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品の購入を勧誘するものではありません。アンティークコインの価格は市場動向・状態・希少性などにより変動し、将来の価値を保証するものではありません。記載の価格は執筆時点のものです。購入の判断はご自身の責任でお願いします。
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