アトリビューションとは
アトリビューションとは、コインの正確な種類と変種を特定し、標準カタログの番号で同定する作業です。
オークションの出品説明に並ぶ「S.3883」「RIC 206」といった記号が、その結果です。
主なカタログ体系
| 記号 | 出典 | 対象 |
|---|---|---|
| S | Spink『Coins of England』 | イギリス貨全般 |
| ESC | English Silver Coinage since 1649 | 1649年以降の英国銀貨 |
| RIC | Roman Imperial Coinage | ローマ帝国貨 |
| RPC | Roman Provincial Coinage | ローマ属州貨 |
| KM | Krause-Mishler『Standard Catalog of World Coins』 | 世界のコイン |
| Fr | Friedberg『Gold Coins of the World』 | 世界の金貨 |
| SNG | Sylloge Nummorum Graecorum | 古代ギリシャ貨 |
KM番号は国ごとに、最も古い年の最小額面から「1」で始まり、額面内で発行順に振られていきます。
カタログ番号は真贋の証明ではありません
日本の読者が誤解しやすい点です。
カタログ番号はあくまで「このコインはこの種類である」という分類上の同定です。本物であることの保証でも、状態の保証でもありません。
真贋と状態の判定はNGCやPCGSによるスラブ封入が担います。役割が違います。
SとESCは別の体系です
これも混同されやすい点です。
- Spink(S) — イギリス貨全般をカバー
- ESC — 1649年以降の銀貨に特化(パターン貨やプルーフ貨も収録)
**同じコインに両方の番号が付きます。**たとえばゴシッククラウンは S.3883 かつ ESC 288 です。
変種の特定まで含みます
貨種を特定しただけでは終わりません。**ダイの違いによる変種まで絞り込んで、初めてアトリビューションが完了します。**同じ年号でも変種によって価値が大きく変わるためです。
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